約2,000種類もある仮想通貨ですが、近頃では、他の通貨と価値が連動する不思議な仮想通貨も登場しました。
仮想通貨のMaker(メーカー)はその一つです。Makerは、ペッグ通貨であるDAIの価格を調整するために存在する通貨となります。Maker自体には通貨の利用用途はありません。
果たして仮想通貨のMaker(メーカー)とは一体何に使われるのか?
ここでは、Makerの基本的な概要と将来性を紹介していきます。
目次
Maker(メーカー) とは?
仮想通貨のMaker(メーカー)とは、ペッグ通貨のDAIの価格調整と所有権利を管理するための仮想通貨です。1単価の単位はMKR。
他の仮想通貨のDAIと関連性を持つことによって、価値を高める独特の仮想通貨として注目を集めています。
2017年11月にMakerは誕生しました。時価総額ランキングは、現在第20位(2019年1月地点)となっています。2018年3月には1MKR=10万まで跳ね上がりましたが、それ以降は1MKR=5万円前後で安定している通貨です。
Makerの仮想通貨を購入する際は、海外の取引所を利用します。Makerを取り扱っている取引所は、OKEx(マルタ)・HitBTC(イギリス)・Bancor Network(スイス)・Bitbox(中国)です。
Makerの基本情報 | |
通貨名 | Maker |
ティッカーシンボル | MRK |
公開日 | 2017年 |
時価総額順位 | 20位(2019年1月地点) |
発行上限枚数 | 1,000,000MKR |
取り扱い国内取引所 | なし |
取り扱い海外取引所 | OKEx・HitBTC・Bancor Network・Bitbox |
公式サイト | 公式サイト |
Maker(メーカー)の特徴・仕組み
Maker(メーカー)の特徴・仕組みについて詳しくみていきましょう。
独自のスマートコントラクトCDP
MakerにはCDP(Collateralized Debt Position)というスマートコントラクトの機能があります。
CDPとは資産をMakerに預ける代わりにDAIの発行ができて、預け入れた担保にはアクセスできなくなるという仕組みです。
このCDPのスマートコントラクトを利用することによって、イーサリアムを担保として、DAIを発行することができるのです。発行する際の決済手段の際にMakerは利用されます。
Maker開発の重要な意思決定に参加できる
Makerの仮想通貨を一定数以上持っていると、Makerのプロジェクトに関する重要な意思決定に参加できます。
仮想通貨DAIとMakerの関係性
ペッグ通貨のDAIは、米ドルと同じ価格で推移していきます。1USD=1DAIで価格変動はしません。
一般的な仮想通貨の場合は、価格に変動があります。
たとえば、大手企業のサービスに仮想通貨が採用された場合、その通貨を購入したい人が増えるため、通貨の価値は跳ね上がります。ペッグ通貨はそのような価格変動が発生しない仕組みとなっています。
しかし、需要が増えるほど、通貨の価格は本来なら上昇します。価格の変動をMakerが役割として補っているのです。このような機能を、TRFM:Target Rate Feedback Mechanism)と呼びます。
DAIの発行の際の手数料としてもMakerは利用されます。Makerはペッグ通貨のDAIの価格調整をしたり、所有権利を管理したりするトークンとしての働きを持っているのです。
Maker(メーカー)メリット
Makerは3つのメリットがあるので、確認していきましょう。
急な資金調達ができる
先ほども説明したように、独自のスマートコントラクト技術である、CDPという機能がMaker(メーカー)にはあります。
そのため、イーサリアムを担保に入れておくと、DAIを発行することが可能です。発行したDAIを現金に換えることもできます。
そのため、急に現金が必要になった場合などに役立ちます。例えば資金調達したい人にとって非常に便利な仮想通貨です。
さまざまな利用用途のローンが誕生する可能性も
Maker(メーカー)のホワイトペーパーでは、CDPを利用したさまざまな用途のローンが誕生するという見解も見受けられます。
まだ、アイデア段階ではありますが、自動車ローン、住宅ローン、開業資金、教育ローンなどにも利用される日が訪れるかもしれません。
ローンの状況をシッカリ管理できる
DaiDashiboard画面では、すべてのローンの利用状況を一覧で見られる画面が備えられています。
通常のローンでは、借入先から明細書が届いたり、Webサイトにログインをしたりして、1つひとつの借入状況を確認しなければいけません。
トータルの借入金額は、自分で計算をしなければいけないのです。手間暇が、DaiDashibboardを利用すると改善されます。
Maker(メーカー)デメリット
Makerは2つのデメリットがあるので、確認しましょう。
担保となるETH価格の下落で担保が没収される可能性もある
Makerの担保は、イーサリアムが無価値の仮想通貨になってしまったり、価格が下落してしまったりした際は、すべて没収されてしまいます。
仮想通貨の中でもイーサリアムは高い時価総額を維持しています。
2019年1月13日地点では1ETH=13,690円となっています。しかし、仮想通貨の価格は急落する恐れもあるのです。
リリースしてからは、大きなトラブルもなく、DAIの発行数もイーサリアムの担保も増加していて、安定した運営がされています。
イーサリアムの担保が集まっているということは、ペッグ通貨のDAIが信用されている証拠です。
しかし、イーサリアムの価格の変動によって、トラブルが発生する恐れがあることに注意しましょう。
資産が盗まれてしまう恐れ
Maker(メーカー)のホワイトペーパーには、システムが外部からの攻撃を受けた場合は緊急のアナウンスが発動されて、新規ローンの利用がストップされると書かれています。
それと同時に、所有をしているDAIと担保に入れているイーサリアムを交換することができると書かれているのです。
しかし、実際にトラブルが起きておらず、安全に運用されています。実際に外部からの攻撃を受けてみなければ、システムが安全かどうか確認できません。
Makerがリリースされて1年弱なので、今後の動きは、まだ想定できません。最悪の場合は、資産が盗まれてしまう恐れも出てくるでしょう。
参考:https://makerdao.com/en/whitepaper
Maker(メーカー)の将来性は?
Maker(メーカー)の将来性は、DAIの需要次第といえます。
Makerは、ペッグ通貨のDAIの価格調整や、所有権利を管理するために利用される仮想通貨です。Maker独自での利用用途はありません。
そのため、DAIの需要が伸びれば、Makerの仮想通貨の価値も上昇するでしょう。
現在、ベンチャーキャピタルの「アンドレッセン・ホロウィッツ」をはじめとする複数の企業から、約12億円の資金調達に成功しています。
また、OmiseGOとシステム的にコラボレーションが決まっています。
OmiseGOとは、東南アジアで支持されている仮想通貨です。政府も共同しているプロジェクトを立ち上げています。突然、Makerが価値を高める可能性も秘めているのです。
まとめ
Maker(メーカー)は、ペッグ通貨のDAIと連動している仮想通貨です。
Maker独自では、利用用途はありません。ペッグ通貨のDAIの信頼性を保つためにMakerは存在します。
ペッグ通貨のDAIの価格調整をしたり、所有権利を管理したりするトークンとしての働きを持っているのです。
Makerは、DAIの需要次第で、将来性が変わってくる仮想通貨といえます。
しかし、OmiseGOなどの東南アジアで支持されている仮想通貨とコラボレーションする話が持ち上がっていたり、ベンチャーキャピタル企業から、多額の資金調達してもらっていたりする仮想通貨です。
他の通貨に利用される日も将来的に訪れるかもしれませんね。今後のMakerの動きに注目していきましょう。