仮想通貨投資を始め、少し経ってみると「ビットコイン」以外の通貨にも投資をしてみたくなるかもしれません。そんな段階の人にとって、間違いなく目に入ってくるのアルトコインといえば、ほとんど全ての取引所でも買うことができる「イーサリアム」ではないでしょうか?
イーサリアムは現在時価総額2位で、多くのコミュニティで盛んに開発が行われています。
今回は「なんとなく、有力な仮想通貨っぽいけどどういうものかわからない」
という方のために、イーサリアムの基本についてまとめてみました。
結論を先取りすると、イーサリアムはただの「通貨」ではなく、ビットコインとは別の形でブロックチェーンを活用し、世の中の変革をおこしていけるかもしれない画期的な発明でもあります。
果たしてどのような点が革新的なのか、読み進めたうえで魅力的だと思ったら是非、購入を検討してみてください。
目次
イーサリアムとは?現在時価総額2位の有力銘柄
通貨名(通貨単位) | Ethereum(ETH) |
公開日 | 2015年7月30日 |
システム | Proof of Work/Proof of Stake |
初期発行量 |
72,000,000 ETH |
発行上限枚数 | なし(2018年8月現在約1億ETH発行済) |
取り扱い取引所 | ビットバンク,ビットフライヤー,Zaif,GMOコインなど |
公式サイト | https://www.ethereum.org/ |
ホワイトペーパー | https://github.com/ethereum/wi… |
イーサリアムとはアプリケーション開発のプラットフォーム、もしくは、プラットフォーム構築のプロジェクトそのものの呼び名です。
「そんなよくわからないものじゃなくて、ただの仮想通貨じゃないの?」
と思われた方もいるかもしれません。
確かに、仮想通貨の取引所に行くと「イーサリアム」を仮想通貨として購入することができます。しかし、これは厳密にいうとイーサリアムそのものではなく、プラットフォームとしてのイーサリアムの中で使われる仮想通貨を指しています。「Ether」(イーサ)という単位の仮想通貨です。
今一つピンと来ないかもしれませんが、イーサリアムを単なる「第2位の仮想通貨」もしくは「一番有力なアルトコイン」という認識でいると、その魅力を十分に理解することができません。何が書いてあるのかわからない、という方もまずは「単なる通貨ではない」という認識だけもって、読み進めてみてください。
一般的に仮想通貨と呼ばれていますが、ビットコインとは違い、決済だけでなく、様々な手段に使用することが出来るポテンシャルを秘めており、時非常に将来を期待されているコインです。
また、イーサリアムはビットコイン同様、ブロックチェーンを採用しています。
ビットコインのブロックチェーンでは、決済取引の記録が可能でしたが、イーサリアムでは、スマートコントラクトと言う機能により、取引の記録に加えて契約自体もブロックチェーンに記録させる事が可能です。
これにより特定の管理者を持たない非中央集権を実現しています。
イーサリアムは、ビットコインのブロックチェーンを改良して独自に作られた仮想通貨です。イーサリアムで出来ることは本当にさまざまで、現在開発されているのは下記ジャンルです。
・分散型取引所
└特定の管理者を持たない非中央集権取引所。手数料が安く、データ改ざんが不可能な高いセキュリティを誇る。
・ゲーム
└Crypto kitties , bit pet,World of Etherなど
・分散型予測市場(gnosis等)
└あらゆるイベントの予測が出来る
・分散型ストレージ(保管庫)
上記の様に本当に様々な機能を開発することが出来るのが可能です。
イーサリアムの特徴
イーサリアムの特徴として代表的なものを2つ挙げます。
拡張性が高い
他の通貨やアプリケーション開発に応用が利きやすいという点です。新しい仮想通貨を発行するICOのプロジェクトを見たことがあるという方ならば分かりやすいと思うのですが、多くの新しい仮想通貨や「イーサリアムベース」で開発されています。イーサリアムはアプリケーション開発のプラットフォームとなることを理念としたプロジェクトですので、技術的な仕様がわかりやすく、拡張性の高いものになっています。
スマートコントラクト
2つ目は、契約書のような機能を持った「スマートコントラクト」と呼ばれる技術を実装している点です。
ビットコインは取引の履歴をブロックチェーン上に記載しますが、イーサリアムはそれだけでなく、スマートコントラクトの機能により、取引の中で行われる契約についてもブロックチェーン上に記載するとともに、その契約の内容について、条件が整った段階で、自動的に実行するといった機能も兼ね備えています。
このスマートコントラクトを用いることで、その契約の内容を改ざん不能なものにするとともに、自動執行の機能により、取引の安全性、透明性を担保しています。
例えば、あなたはカジノでスロットゲームをしたとします。
カジノは大抵が胴元が且つ仕組みになっており、現在のシステムだと、本当に不正がないのかがわかりません。
しかし、イーサリアムのP2Pという分散管理、ブロックチェーンの不正改ざん防止システムを使用すれば、スロットを回した際に、必ず一定の確率で大当たりが出るという「契約」を担保することが可能です。
この「スマートコントラクト」により、契約や、業務等を自動化する構想がイーサリアム上で次々に登場しています。
実際に、コンピュータ業界最大手のマイクロソフト社Azure プラットフォームにイーサリアム基盤のブロックチェーン・ツールを導入されているおり、その他にも大手金融機関が開発に名乗りをあげています。
まだまだ実際に使用されるには時間がかかるかもしれませんが、今後イーサリアムを使ったプロジェクトはどんどん広がっていくことは間違いありません。
今後イーサリアムで実装が期待されるサービス
- 不動産や株式や著作物など契約の取引の記録
- レンタカーを1,000円毎に1時間作動させる。
- 保険の契約を自動化し、条件が満たされたら自動で保険がおりるシステム。
ERCとは?
ERCとはイーサリアムのプラットフォーム上での技術仕様を明文化した「規格」です。(Etherium Request for Commnentsを略したものです。)
イーサリアムはアプリケーションの開発プラットフォームとなることを目指しています。その技術仕様が標準化、明文化されていることで、技術者がプラットフォームに参加するハードルが下がり、コミュニティとして発展していくことが期待できます。
イーサリアムをベースとして開発されたブロックチェーン上で機能するトークンの事を「ERCトークン」というような呼び方をします。
また、ICOなどの案件を見たことがある、という方は「ERC-20」だとか「ERC-223」だとかという、後ろに数字がついているものを見たことがあるかもしれません。
この数字は、規格として提案された順番を表すものです。
2018年8月12日現在、最もメジャーなのは、20番目に提案された「ERC20」という規格。現存するトークンの多くが、この規格を基に発行されています。同じ規格で開発されたトークン同士は互換性も高く、既存のサービスとの連携も比較的容易です。
しかし、このERC-20の規格は2015年と少し前に提案されたものであり、運用上欠陥も発見されています。
そこで、ERC-20の欠点を修正した「ERC-223」という規格や、さらに発行したトークンの供給量を後から変更することができるという付加価値を備えた「ERC-621」というものも登場しています。
プラットフォームとしてより良い環境を提供するため、常に新しい、より良い規格が提案され続けている、ということです。
現在進行中のイーサリアムベースのトークン
以下、イーサリアムベースで開発された代表的なトークンを3つ挙げ、それぞれを簡単に解説します。見たことがある、という方もいらっしゃるかもしれませんが、こういったものも「イーサリアムベース」で開発されていると思うと、イーサリアムの市場における信頼性も実感できるのではないでしょうか?
Auger(REP):スマートコントラクトを活用し、賭け事などの「予測市場」を中央集権的な管理者(胴元)なく実現することを目的としています。
Binance Coin(BNB):世界最大級の仮想通貨取引所Binanceが発行するトークン。取引所内で利用することで、手数料の支払いを抑えることができるだけでなく、Binanceが徐々に買い集めを行うことを予定しており、その希少性から価値の上昇も見込めます。
TRON(TRX):エンターテイメント業界において、既存のプラットフォーム運営者による高額な中抜きや、広告収入を重視し、コンテンツが不当に偏るといった課題を解決し、クリエイターとユーザーが直接つながれるプラットフォームの構築を目指しています。
イーサリアムの強み
技術面でも十分に魅力が備わっているイーサリアムですが、仮想通貨の世界は日々発展していく技術の中で、新しい通貨が生み出されています。(当然、過去に開発された通貨も日々改良されていますが)
そのような中でも、イーサリアムがとりわけ強みとしているのが「コミュニティの強さ」です。
これは仮想通貨投資全体においても大切な視点なのでぜひ覚えておいてください。
まず、イーサリアムの考案者はロシア系カナダ人のエンジニア、ヴィタリック・ブリテン氏。現在24歳。イーサリアムの構想をたてたのはなんと19歳の時。まぎれもない天才と言えます。エンジニアや先進的な業界で活動する起業家を中心に、ヴィタリックを「信奉」する人も多く、イーサリアムの根強い人気の要因の一つとなっています。
単に開発者が天才であり、人気があるというだけでなく、イーサリアムに未来を感じ、そこに投資を行ったり、独自の開発を行う大手企業も多く表れています。たとえば、日本企業ではトヨタ自動車や三菱UFJ銀行、欧米ではJPモルガンやマイクロソフト、アクセンチュアなど各業界を代表する顔ぶれがイーサリアム連合として加盟しています。また、国内大手通信キャリアの一角であるKDDIがフィンテック事業としてイーサリアムを使った実証実験を行っています。
もちろん、開発者、創業メンバーに「天才」と呼ばれる人物がいたり、大手企業から熱烈な支持を受けている仮想通貨のプロジェクトはイーサリアムだけではありませんが、理念や技術的な優位性に加え、こういった要素も日々生み出される仮想通貨の中での立ち位置を決める重要なポイントであることは抑えておいた方がよいでしょう。
イーサリアムの弱み
イーサリアムの弱みとしては下記3つのポイントが挙げられます。
発行上限数が定まっていない。
ビットコインを始めとする仮想通貨の多くは発行上限数が決まっています。それが全て世の中に出回っているもの、これからマイニングなどの手段を通じて世の中に出てくるものなど、形は違いますが、「数に限りがある」という希少性はその価値を担保するポイントの一つです。2018年8月現在、イーサリアムは発行上限数が決まっていません。開発者側としては、いずれは発行上限量を設定する意向ではあるようですが、発行上限が定まっていないということは、言い換えれば理論上は、ですが無限に発行できるということを意味します。他の仮想通貨に比べ、Etherは価格下落のリスクを1つ多く抱えていると言えるでしょう。
スマートコントラクトのプライバシーの問題
スマートコントラクトの特長の1つは契約をブロックチェーンに記載することでした。そうすることで、改ざんが極めて難しく、信頼性の高い契約を担保することができる一方で、ブロックチェーン上に記載されているということは、技術的には契約の主体や内容を特定できてしまう可能性を孕んでいます。
将来的にこの問題を解決しない限りイーサリアムの実用化は難しいと言えるでしょう。
取引遅延の問題(スケーラビリティ)
イーサリアムの技術は開発者にとって利用しやすく、ICOをはじめ、多くのシーンで利用されています。それ自体はイーサリアムのプロジェクトの理念とも合致するものなのですが、ブロックチェーンに記載できる情報量には限りがあるため、許容量以上の取引が行われることで、その処理の速度が落ちてしまうという問題を抱えています。これはイーサリアムに限った話ではないですが、可用性が高いがゆえに他の通貨に輪をかけて注意しなければならないポイントです。
【考察】今後の成長性は?
イーサリアムは、独自の機能であるスマートコントラクトの特性上、開発者が各々追加したい機能を加えることが出来るため、実質「なんでもできる」プラットフォームとなっています。
やれることが幅広いというのは、ユーザーを確保する上で非常に重要です。その為、人気も非常に高く、現在では、時価総額を常に3位以内をキープしています。
実際に機能しているアプリケーションも300を超えており、他の仮想通貨と比較すると開発が非常に進んでいる事がわかります。
現在、イーサリアムを使ったゲームが話題になっていますが、ゲームを始めるためには取引所でETHを購入しなければならないので、まだまだ敷居が高くユーザーも少ない状況です。
また、送金スピードや手数料高騰などのスケーラビリティ問題を解決しなければならないなど多くの課題を残しているのも事実です。
しかし、スケーラビリティ問題が解決すれば、市場価値の高いイーサリアムはすぐに広く利用されることになるでしょう。
おすすめのイーサリアム取引所
初心者の方がイーサリアムを購入する際、まずは仮想通貨取引所への口座開設(無料登録)を実施する必要があります。
国内には現在、11社の認可取引所がありますが、それぞれに特徴を有しています。
その中で、イーサリアムの購入をする際におすすめの取引所は下記の3社です。
ビットコインをイーサリアムに買えたいならビットバンク
取引所の特徴
ビットバンクはZaif同様、取引所で購入ができるので、その他販売所に比べて、イーサリアムを安く購入することができます。
しかし、購入はビットコインでしかできないので、円建てよりも一手間かかってしまいます。
ビットバンクの管理画面は非常に使いやすいので、ビットコインでのイーサリアム購入に抵抗が無い方はぜひ口座開設しておいてください。
大手取引所!bitFlyer(ビットフライヤー)
取引所の特徴
世界でも有数の取引高を誇る取引所で、取り扱っている通貨もメジャーなものばかりです。
大手企業が出資しており安全性が高いのもポイント。操作も簡単で分かりやすく、様々な人が利用しています。
ビットフライヤーは、イーサリアムだけでなくその他の主要仮想通貨の購入も可能ですので、必ず登録しておきたい取引所です。
イーサリアムを安く購入可能!Zaif(ザイフ)
取引所の特徴
Zaifの最大の魅力は、「取引所」で売買することができる点にあります。
取引所での売買は、手数料がほとんどかからない為、イーサリアムをできるだけ安く買いたいと考えている人におすすめです。
補足:販売所と取引所の違い
さらに、ザイフの手数料は他の取引所と比較して非常に安く設定されており、イーサリアムをできるだけ安く買いたいと考えている人におすすめの取引所です。
また、指値でも売買も可能なため、「この価格まで下がったら買い」などの予約決済も可能となっています!
おすすめのイーサリアム保管方法
仮想通貨を保管する際に、購入した取引所に預けておくことも可能ですが、現在はハッキングなどが横行しており、取引所に置きっぱなしにするのは安全とは言い難い状況です。
仮想通貨への投資は自己責任。できるだけ自分の資産を失わないように、ウォレット管理するべきでしょう。
手軽さを重視するならウェブウォレット
ウェブウォレットはスマホやPCに自分専用の財布を作り、そこに仮想通貨を保管していく手法です。取引所でなく、自分専用の財布にETHを保管するため、自分のPCやスマホがハッキングされない限り、仮想通貨盗難の被害に遭うことはありません。
セキュリティは、オフラインに比べてややお取りますが、取引所で保管しているよりも安全性が高いといえます。
おすすめのウェブウォレット
「MyEtherWallet.com(ETH&ERC20トークン)」などが代表的なウェブウォレットです。
※イーサリアムの公式ウォレットも存在しますが、非常に重く、使い勝手悪いので、あまりおすすめできません。
長期保有なら断然ハードウェアウォレット
ハードウェアウォレットは、インターネットに接続しない、オフラインで仮想通貨を保管する方法です。
オフライン管理は、ハッキング攻撃をされる可能性もなく、安全に仮想通貨を管理できます。
保管する際にパスワードを忘れてしまうと、復元できなくなる可能性があり注意が必要ですが、安全性は抜群です。長期で保有する予定の方は、購入を検討しても良いでしょう。
特におすすめは「LedgerNanoS(レジャーナノS)」操作も非常にシンプルで初心者にも使いやすいです。
参考までにコチラも読んでみてください!
オススメのイーサリアムの価格確認サイト
時価総額
時価総額を確認するには、Coingeckoがおすすめです。仮想通貨の時価総額をランキング形式で表示してくれます。
また、開発状況などをスコア形式で表示してくれるので、投資判断の指標として参考にして見てください。中長期目線でのチャートの確認も可能です。
⇒coingeckoのイーサリアム(ETH/JPY)チャート
イーサリアムの値動きを、スマホで確認したいなら断然コインチェックがおすすめです。
ウィジェット機能ですぐに価格が見られるだけでなく、チャートも折れ線とロウソク足を選択でき、直感的に値動きがわかる仕様になっています。
実際に仮想通貨をコインチェックで購入せずに、このアプリを利用するだけでも、口座開設する価値があるでしょう!
とはいえ、チャートを見る上で一番重要なのは、売買しようとしている板の情報ですので、実際にイーサリアムを購入予定の取引所のチャートになれる事をおすすめします。
イーサリアムの購入方法
ザイフでのイーサリアムの買い方
ザイフでイーサリアムを購入する場合、手数料の安い「取引所」で売買する必要があります。
※まだ口座開設が出来ていない方は、コチラから!
取引画面からETH/JPYをクリックし、チャートへ移動
イーサリアムのチャートへ移動したら、指値買いを実行します。指値買いとは、任意の位置までイーサリアムの価格が下がったら、自動的に買い注文を約定する、「注文の予約」の事を言います。
この手法では、イーサの値下がりを待って買うことが出来るので、非常に便利です。しかし、仮想通貨はいきなり高騰・暴落することもあるので、まめに指値注文の設定を確認するようにしましょう。
入力後、買い注文ボタンを押せば、指値買いの予約完了です!今すぐ仮想通貨を購入したいという方は、成行買いをしてください。その時の価格ですぐに購入することができます。
現在までのETHの価格推移
イーサリアムは、二年前までは1,000円にも満たない価格で、認知度は非常に低かったです。しかし、現在では、5万円を超えており、最盛期は15万を超えていました。
これがたった二年の間に起こったのですから、どれだけ爆発的な成長を遂げているのかは明白でしょう。
イーサリアムの開発状況、成長過程、長期のチャートの動きなどの要素を加味するとこのまま価格が落ちていく事は無いと想定できます。2018年度末には、高騰している可能性もあるでしょう。
補足:イーサリアムを利用するICOを知る
前述したように、イーサリアムはブロックチェーン上に多くのアプリケーションを作成する事ができ、人気を誇る仮想通貨です。開発は活発に行われ、新しく誕生するアプリケーション=仮想通貨も多くあります。
イーサリアムのプラットフォームを利用するICOを知ることで、更に利益をあげることも可能です。
COIN JINJAはICO案件をスケジュールを網羅している非常に便利なサイトです。日本語でこれだけの情報量を誇るICOの情報サイトは他にないので、必ずチェックしましょう。
まとめ
イーアリアムは今後、世界中に普及し誰もが使用する世の中が来る可能性があります。価格が高いと思われがちですが、じつは少額からでも購入可能です。これを機に是非購入してみてはいかがでしょうか?
あなたにあった仮想通貨取引所を見つけよう!