仮想通貨というと、代表格であるビットコインを筆頭に、イーサリアムやライトコイン、ビットコインキャッシュ、リップルなどが有名です。
仮想通貨業界が盛り上がっている昨今、ビットコインだけが価値のある仮想通貨というわけではありません。今後、新しい仮想通貨は続々と登場するでしょうし、中にはイーサリアムやビットコインキャッシュのように高値が付くアルトコインも登場するでしょう。
ステラ(Stellar)は、今後の将来が期待されている仮想通貨の一つです。今回はそんなステラの特徴や将来性について解説します。
目次
ステラ(Stellar)とは?
通貨単位 | XLM |
公開日 | 2014年7月31日 |
コンセンサスメカニズム | Stellar Consensus Protocol |
発行上限 | なし |
公式サイト | Stellar公式サイト |
ステラとは、2014年7月に公開された仮想通貨で、通貨単位はXLMです。
開発者のジェド・マケーレブ氏がリップルを元にステラを開発しました。ジェド・マケーレブ氏といえば、既に破綻したマウント・ゴックス(Mt.gox)の創業者としても有名です。
リップルを元に開発されたということもあり、ステラはリップルの認証方式の問題を改善するための独自のプロトコルを実装しています。ステラのプロトコルであるSCPとはいわば、リップルのプロトコルを改良したプロトコルとなります。
2015年以前まではSTRと表記していたということもあってか、一部の取引所ではXLMではなく、STRと表記することもあります。
2018年8月時点における時価総額は約4000億円以上で、仮想通貨の時価総額ランキングでは10位圏内にいることが多いです。ステラよりも時価総額が高い仮想通貨というと、ビットコインやリップル、ビットコインキャッシュ、イーサリアム、EOSなど有名な仮想通貨ぐらいであり、非常に期待されている仮想通貨であることが見て取れます。
発行枚数に上限はなく、1000億枚が発行された後に、年に1%ずつ増加していきます。
ステラ(Stellar)の特徴・仕組み
ステラには、送金や決済のスピードが非常に速いという特徴があります。少額での送金や決済に向いている仮想通貨であり、その送金速度はたったの5秒となります。
銀行を介して国際送金をする場合、だいたい数日から10日以上の時間が必要です。それに加え、営業時間外では送金できないので、実際にはもっと多くの時間がかかるでしょう。しかし、ステラならば1日どころか、1分とかからずに送金ができます。
少額での送金スピードが速いという特徴に加え、ステラには価格変動リスクが少ないという利点があります。
発行枚数に上限がないという仕組みを採用しているステラは、年に1%ずつ発行量が増えていきます。これは、仮想通貨の価格が乱高下しないようにするための措置です。ステラでは、通貨の供給量を増すことで、価格を安定させています。
ステラには他にも、送金手数料が安い、独自のアルゴリズムを採用しているなどの特徴があります。
特に、ステラが採用しているSCPというアルゴリズムは、リップルとよく似た特徴を持つ一方で、リップルの課題を解決しているプロトコルでもあります。
ステラでは、たとえ承認率が80%以下であってもブロックチェーンを分岐させない仕組みを導入しています。その結果、ステラはリップルよりも分裂が起き難い、安全な仮想通貨へと改良されています。
リップルとステラ(Stellar)の違い
ステラはリップルをベースに作られた仮想通貨ということもあり、その特徴は非常によく似ています。両者には、どのような違いがあるのでしょうか?
まず、この二つには、想定している利用者に違いがあります。
リップルが銀行などの法人の利用を目的とした決済システムであるのに対し、ステラの決済システムは個人での利用を想定しています。
同じ送金システムでも、1万円以下の少額の決済システムと、1億円以上の高額の決済システムでは、その仕組みに違いが生じます。リップルはいわば高額決済のためのシステムであり、ステラは少額の決済のためのシステムを採用しているのです。
オンラインショッピングをするなら、リップルよりもステラの方が向いているということです。
このような決済システムの違いに加え、リップルとステラでは、発行枚数に違いがあります。
リップルの発行枚数の上限が1000億XRPと決まっているのに対し、ステラに上限はありません。ステラは毎年1%ずつ増加するため、インフレになりやすく、価格の急激な変動が起こり難いです。供給量を増やすことで、価格の安定を実現しているということです。
プロトコルについても、リップルとステラでは違いがあります。
リップルのプロトコルの場合、承認者による80%の合意があれば、ブロックが承認され、分散型台帳に記録が書き込まれます。しかし、80%の合意がないと、チェーンが分岐してしまうというリスクがあります。
ステラのプロトコルの場合、この80%の合意が無かったとしても、承認できる仕組みがあるため、チェーンの分岐というリスクを避けることができます。
ステラ(Stellar)の課題
ステラの課題として、まずカウンターパーティーリスクがあります。
ステラはビットコインなどの非中央集権的な仮想通貨と違い、中央集権的な仮想通貨です。
ステラは、非営利団体である「Stellar Development Foundation」が運営している仮想通貨です。同団体は、ステラの急な価格高騰や暴落などを防止するため、市場への介入を行っています。
要するに、ステラは価格変動に対して運営者が介入する可能性がとても高い仮想通貨ということです。この団体があくまで価格安定のために介入するというのであれば問題はないのですが、第三者がそれを信用することはなかなか難しいです。
もしもステラの価格に対して不正な介入があった場合、ステラの利用者が損をする被る可能性がとても高いです。それだけに、ユーザーとしては「Stellar Development Foundation」が本当に信頼に足る団体であると信用できない限り、ステラも信用して使用することは難しいでしょう。
たとえ同団体が、価格の安定以外に介入はしないと断言したとしても、その団体が破綻してしまった場合、ステラの価値は無くなってしまうリスクがあります。
このカウンターパーティーリスクをどうにか解消できない限り、ステラが市場の信用を勝ち取ることは難しいでしょう。
ステラはこの価格安定の一環として、特定の国(現在では中国)に対して登録ができないように規制をかけています。
ステラは、仮想通貨の価値に不利益が生じると判断した場合、かなり強引な措置を取ることが多く、中央集権的な要素が強い仮想通貨となります。
仮想通貨の本来の強みは、法定通貨と違って自由に使えることです。しかし、完全な自由を実現すると、ビットコインのように価格が乱高下するため、価格変動リスクが上がります。
価格変動リスクを下げるためには、中央集権的に市場に介入する必要があるのですが、あまりにも介入が強すぎると、今度は通貨としての自由性が失われてしいまいます。
ステラは安定を重視するあまり、通貨としての自由が失われる可能性が高く、それが今後の課題となるでしょう。
ステラ(Stellar)が買える取引所は?
現在、国内でステラを購入できる取引所はありません。ただし、海外では人気のある有望な仮想通貨ということもあってか、多くの取引所が上場させています。
ステラを上場させている海外の取引所というと、BinanceやBCEX、CoinEgg、Upbit、Poloniexなどがあります。
国内の取引所がステラを取り扱う予定は今のところありません。ただ、将来的に、どこかの取引所が上場させる可能性はゼロでは無いでしょう。
ステラの買い方
ステラの購入手順は下記の通りです。
ステラを購入する手順
- GMOやビットバンクなどの国内取引所で口座開設
- 1で口座開設した取引所でビットコイン(BTC)かイーサリアム(ETH)を購入
- 海外取引所(バイナンスなど)へ2で買ったBTCかETHを送金
- 3の海外取引所でステラを購入
ビットバックでBTC(ETH)を購入
ビットバンク(bitbank.cc)では、「板取引」を採用しており、国内の多くの取引所と比較して非常に安く仮想通貨を購入することが可能です。
また、現在キャンペーン中により取引の手数料が0円になっている他、アルトコインも豊富に扱っており、初心者は必ず口座開設しておきたい取引所となっています。
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バイナンスへ登録
ステラを購入できる海外の取引所はたくさんありますが、おすすめはバイナンスです。世界で最も評価されている取引所の一つで、取引高は世界1位となっています。
セキュリティやトラブルの際のサポートにも定評があり、ユーザーからの評判も非常に良いです。
取引手数料は0.1%となっており、ステラだけでなく、他の仮想通貨にも興味がある方は、必ず登録しておくべき取引所です。
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ステラ(Stellar)の今後・将来性
ステラは既に、様々な企業と提携しています。大手IT企業のIBMとも提携しているほどで、今後世界中の企業で使われる可能性がとても高いです。
少額決済に特化しているステラは、送金手数料も安く、まさにネット上における決済手段として非常に役立つ通貨です。
このように将来の見通しが良いステラですが、ただ投資という面から見ると、疑問点があります。
というのも、ステラは発行枚数に上限がなく、毎年1%ずつ増加する仮想通貨だからです。これはつまり、ステラはインフレしやすい仮想通貨ということであり、価値が上がり辛い通貨でもあるということです。
それに加え、ステラは急な価格変動が起きないように、市場介入が行われる通貨でもあります。
市場介入が行われると、価格が安定するため、ビットコインのような急な価格高騰は期待できません。つまり、ステラを大量に保有したところで、他の仮想通貨のような値上がりの期待はできないということです。
ステラはビジネス面ではニーズの高い仮想通貨かもしれませんが、投資という側面から見ると、将来性はあまりないかもしれません。
まとめ
まだまだ投機的な意味合いの強い仮想通貨の市場では、地味なイメージのステラですが、実需という意味で強い存在感を放っています。
将来的に、世の中に普及する可能性もあるステラは、注目の仮想通貨の一つといえるでしょう。