このページでは、ブロックチェーンの分類の解説とそれぞれのタイプの今後の成長性の考察を行っていきます。
現在、多くの方が仮想通貨に投資を行っていますが、短期的な価格の上下ばかりに気を取られ、大きな損失をだしているほとんどです。
投資をする際に、銘柄を学び・理解することは基本中の基本です。その基本を無視して行う仮想通貨投資は本質的では無いですし、設けられるチャンスを逃しています。
現在仮想通貨業界は多くの詐欺が乱立し、何が本当の情報か精査するのは難しいでしょう。だからこそ基本的な、仮想通貨の簡単な概要は理解しておきたい所です。
今回は、ブロックチェーンの様々タイプについて解説していきます。
現在、ブロックチェーンには様々なタイプがあります。注目している仮想通貨はどのようなブロックチェーンを採用しているかを知ることで、投資の判断材料を増やすことが出来ますので、是非参考にしてみてください!
ブロックチェーンの歴史=ビットコインの歴史
「ビットコインは胡散臭いけど、ブロックチェーンは国が利用しようとしているから信用できそう!」と思っている方は多いんじゃないでしょうか。しかし、実はビットコインとブロックチェーンは同じ日に生まれた、いわば兄弟のような存在です。
ブロックチェーンは謎の人物、サトシ・ナカモトの投稿したビットコインの論文の中に記載されていたと言われています。ブロックチェーン技術を用いたビットコインは、「誰でも取引履歴が閲覧可能」「サーバーが分散されている」という2つの仕組みにより、瞬く間に注目を浴び、信じられないほどの高騰を遂げました。
しかし、現在ではブロックチェーンと言っても様々なタイプのものがあります。ブロックチェーンの仕組みにより、仮想通貨の特性が変わることもしばしばあります。
下記のブロックチェーンのタイプ(歴史)を知り、どのタイプの仮想通貨が今後主流となっていくのか予想するのも面白いでしょう!
各仮想通貨のブロックチェーンタイプ
ビットコイン(The Block Chain)
ビットコインのブロックチェーンは、その元祖と言うこともあり、一部ではTHE BLOCKCHAINと呼ばれたりしています。現在では様々なブロックチェーンが存在しますが、狭義の意味でのブロックチェーンとは、一番初めに誕生したビットコインのブロックチェーンのことを指します。
ビットコインのブロックチェーンは分散型台帳(分散管理)というその特性上、データの改竄が不可能な仕組みになっており、将来的に金融サービスなどに大きなメリットを生み出すと言われています。
BTCのブロックチェーンははじまりのブロックチェーンであるが故、信頼が高く、開発が盛んに行われています。しかし、まだまだ普及には多くの課題が残っており、その他の仮想通貨に基軸通貨の地位を奪われる可能性もあります。
・特定の管理者がいない(非中央集権)
・データの分散管理
・データは誰でも閲覧可能
・送金速度・手数料に課題
BTCコピー型
BTCコピー型は、簡単に言うとビットコインのソースをそのままコピーしたものです。仕様はほぼ変わりませんが、発行枚入数を増やしたり、承認スピードを早めています。
ビットコインの性能を変えないまま上記を変更しているので、一見スペックアップにも見えますが、これには問題点も存在します。
それは、ビットコインとは全く別のブロックチェーンとなってしまう点です。BTCコピー型のアルトコインは、文字通りすこしコピーをするだけで簡単に出来てしまうため、実に1,000以上ものアルトコインを生み出してしまいました。
1,000以上ものアルトコインは一つ一つにマイナー(承認する人)が必要となり、利用者が少ないコインには、流動性が生み出せないため、利用価値がありません。また、利用者が少ないためセキュリティに課題が残ります。
・ソースはビットコインのコピー
・承認スピードを短縮、発行枚数の増加
・コピーコインが乱立しすぎて、利用者が少ない
・セキュリティに課題
BTCが信頼を失わない限り、基軸通貨にはなりえない
現状、BTCコピー型はビットコインに比べて使用者が少なく、流動性を担保できない為、セキュリティ面に不安があります。決済用の仮想通貨としては、信用に欠けるのが正直なところです。
例えば、コピー型の代表格であるライトコインは承認スピード2.5分(ビットコインは10分)、発行枚数は8400万枚(ビットコインは2100万枚)となっており、現在はビットコインのように送金づまりを起こすことは無いですが、仮に世に普及し世界的に使用されるとなると、送金づまりを起こす可能性は高いです。
送金づまりを解決するには発行枚数を増やすのではなく、その仕組みを変更する必要があるでしょう。それであれば、基軸通貨となるのは、現在普及しているビットコインとなるでしょう。
このタイプが普及するとすれば、ビットコインが世間の信頼を失った時でしょう。もしくはモナコインの投げ銭のようなスタイルで、独自の決済手法の道を進む必要があるので、基軸通貨にはなりえないと思っています。
あいのり型
主な通貨
└オムニ,カウンターパーティなど
あいのり型の仮想通貨は、ビットコインなどの特定の仮想通貨のブロックチェーンにあいのりし、その機能を利用する手法をとっています。
先に紹介したBTCコピータイプは、多くの人に使用されない場合、採掘者がいなくなり、セキュリティも担保できなくなってしまいます。
その点、BTCあいのり型はビットコインに相乗りする形なので、BTCの特性であるセキュリティの高さを維持しつつ利用することが可能です。
このタイプの特徴は、ビットコインのブロックチェーン上に好きなコイン(トークン)を発行できるアセットプロトコルです。例えば、ニシノカズさんが作ったコインとかもこれに当たります。
反面、BTCの課題である送金問題も同様に抱えてしまうリスクがあります。
・ビットコインのブロックチェーンにあいのり
・独自のトークンを発行するプラットフォーム(決済用の通貨ではない)
・システムはビットコインと同様
良くも悪くもBTC依存のため、普及は難しい?
BTCあいのり型はよくも悪くも、BTCの使われ方によって大きく左右されるでしょう。仮にビットコインが世に広まった場合、これらの発行するトークンでゲームをしたり(Spell of Genesisがすでに有名です)人気投票等に使われる未来があるかもしれません。逆にビットコインが市民権を得る事ができなかった場合、その価値は瞬く間になくなってしまうでしょう。
個人的には、仮に送金問題が解決されたとしても、サイドチェーンやイーサリアムなどの他に優れたブロックチェーンの仕組みがあるので、生き残るのは難しいと考えています。
BTC2.0(機能追加型)
主な通貨
└ビットシェアーズ,ネクストなど
BTC2.0はビットコインの持つブロックチェーン技術を採用しつつも、新しく機能を加えるために、コードを作り直したものです。ライトコインなどのコピー型とは違い、ゼロから設計されている仮想通貨です。
その最大の特徴は、多様な機能。ビットコインが決済用の通貨だったのに対し、BTC2.0 型は様々な機能を有し、下記のような事が可能です。
・スマートコントラクト(改ざん不可能な契約の自動化)
・管理人不在の取引所(分散型取引所)
・独自の通貨発行
・土地などの所有権のデジタル化
・分散型予測市場
※BTC2.0がすべての上記機能を満たしているわけではありません。
など、元々のビットコインのブロックチェーンに、独自の機能を加えています。これらの仮想通貨は、単純な決済用の通貨ではなく、上記システムを使用する際に、使用量として払われる仕組みをとっているものが主です。
そのシステムはあまりにも様々なので一つ一つの解説は割愛しますが、ビットコインができないシステムを加えた独自のブロックチェーンと考えていただければ問題ありません。
独自システムの必要性が認められるかがカギ!
上記は独自のブロックチェーンなので、広く使われないマイナーなものも多く、セキュリティに課題を多く残しています。これらの仮想通貨は機能特化型の物が、「何が出来るか」によって普及度に差が出る可能性がありますが、特化型の仮想通貨の機能の「すべてが出来る」イーサリアムなどに、シェアをすべて奪われてしまう可能性は高いと考えています。
・それぞれの機能に特価
・独自のブロックチェーンを使用
・セキュリティに課題
プラットフォーム型
主な通貨
└ETH,LISKなど(BTCも)
※このタイプのプラットフォーム上には、多くの仮想通貨(トークン)が存在します。
イーサリアムとは、ブロックチェーンを使用したコンピューターみたいなものです。イーサリアムのプラットフォーム上にプログラミングをすることで、独自の機能を加えられる仕組みです。
BTC2.0型(機能特化型)は一定の機能に特化しているので、動作が早かったりより利便性が高かったりしますが、イーサリアムの場合は、それらの全ての機能を、同一(イーサリアム上の)のブロックチェーン上で行うことが実装可能です。さらにイーサリアムのブロックチェーン上で開発された数多の機能を使用して、より複雑な機能を作成することができます。
イーサリアムも他と一様に仮想通貨という呼称をされていますが、通貨ではなく、ブロックチェーン上で動作するアプリケーションのプラットフォームというのがよりしっくり来る呼び方です。ブロックチェーンを使用した、なんでも開発可能なシステムみたいなイメージです。ただし、イーサリアムを使用する際にETHを支払う必要があるので、その点では通貨と言えるでしょう。
開発が盛んなコミュニティ
イーサリアムは現在、最も開発が盛んに行われているコミュニティの一つです。時価総額が高く、常に上位に位置していることも、期待値の高さが伺えます。その他の通貨と違い、様々な機能をプラットフォーム上に埋め込むことが可能ですので、人気があるのも当然と言えるでしょう。また、イーサリアムは一つのブロックチェーンに独自のアセット(トークン)を発行できる為、利用者が増える可能性が高く、BTC2.0型の様に、価格の流動性を心配する必要がないことも強みの一つです。
・ブロックチェーン上で作動するアプリケーションのプラットフォーム
・ブロックチェーン1つで多くの機能が使用でき流動性を高められる
プライベート型
主な通貨
└リップルなど
プライベート型ブロックチェーンの大きな特徴は、ブロックチェーンの利用が、「承認制」である点です。従来、ブロックチェーンは誰でも利用可能な点が強みでした。しかし、プライベート型は企業などの限られたコミュニティ内で利用される事を目的に使用されているコインです。企業内で使用されるブロックチェーンですので、本来のブロックチェーン(とBitcoin)が掲げた、「非中央集権(分散型)」という理念に反していますが、企業側にとっては、特定の複数の管理者を置くことで、セキュリティと透明度が従来より高まるため、非常に注目されています。
完全な「非中央集権」は管理者がいないため、何か事件が起きたときに責任の所在がはっきりしないなど多くの課題がありますが、プライベート型により、一部をブロックチェーンに置き換える手法を、金融機関がこぞって利用を始めれば、海外送金のコスト削減など、多くのメリットをもたらすので、一番現実的な手法と言えるかもしれません。
即効性が高く、一気に浸透の可能性も!
技術的な側面と需要のインパクトを考えると、最も即効性が高いであろうプライベートブロックチェーン。特に金融機関では活発に議論が重ねられているので、意外と一番はやく世に普及するかもしれません。また、あくまでも企業内、企業間で使用されるためのものなので、独自のチューニングをしていくのでしょう
・企業間などの限られて環境でのみ使用するブロックチェーン
・複数の特定の管理者を置く(中央集権型)
・採用する企業はセキュリティが高まりコストが下がる
サイドチェーン
サイドチェーン上の発行方法は、ビットコインのブロックチェーン上から、サイドチェーンにコインを送ることで成立します。これにより、ビットコインのセキュリティの堅牢さを利用しつつ、BTC2.0型で実装されている機能を利用する事ができます。
ビットコインの送金づまり問題も解決!?
決済をサイドチェーンで行うことが出来れば、ビットコインの一番の課題である、送金遅延と、手数料の高騰が改善されるでしょう。現在Blockstream社によって手がけれた、世界初のサイドチェーンである Liquidは、複数の大手取引所と手を組み、コンソーシアム型(一部承認性)のサイドチェーンを作っています。これにより、各取引所間での送金は、非常に早く行う事ができ、更にサイドチェーン上に追加機能を加えることが出来ます。サイドチェーンはいくつでも作ることが出来るため、用途によりカスタマイズすることが可能です。
・ビットコインを支払うことでサイドチェーン上にコインを発行可能
・逆にサイドチェーン上のコインを支払うことで、ビットコインに戻すことも可能
・サイドチェーンはいくつでも作成可能
・機能はサイドチェーンの作成者次第で、追加可能
今後の展開予想
上記で解説したブロックチェーンは、多くが淘汰されていくでしょう。現在の仮想通貨は種類が爆発的に増えすぎたた為、似たような機能のもの、通貨自体に機能が全くない詐欺まがいのもの等が多く存在しています。だからこそ、投資の判断基準として、その仮想通貨がどんなタイプのブロックチェーンを使用しているかを確認することも重要です。
私がもっとも注目しているのが、プラットフォーム型のブロックチェーンです。特にイーサリアムは、既に多くのシェアを確立しており、チューニングが自在に出来るというメリットと相まって、多くのBTC2.0型がイーサリアムの配下に下ると予想しています。
ビットコインは送金問題に決着がつかない限り、基軸通貨なりうるかは判断出来かねますが、ブロックチェーンのセキュリティの高さは、非常に魅力的なので、どんな形であれ資産の保管方法として残っていくと思っています。サイドチェーンが送金問題を解決してくれれば、今後一気に仮想通貨の市場に資金が流れてくる可能性もありそうです。
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