仮想通貨投資を行ううえで「長期投資か短期トレードか」という点に悩む方は多いでしょう。実際、長期投資にも短期トレードにも一長一短あるためどちらが正解と断言しにくい部分があります。
しかし、せっかく仮想通貨投資を行うのであれば短期トレードを経験しておくことをおすすめします。短期トレードで得られる経験はかけがえのないものですし、仮想通貨投資は短期トレードを行いやすい環境にあるからです。
短期トレードを経験するべき理由
短期トレードを経験するべき大きな理由は「投資の経験値を急速に溜めることができる」点です。
「初心者は長期保有が一番!」といった話を耳にしたことのある方も多いでしょう。特に株式や投資信託は世界経済の成長に乗って資産を成長させることができるため、長期保有のメリットは大きいです。短期的には価格が上下しつつも長期的に見ると価格が右肩上がりになることが期待されるものについては長期保有に大きな強みがあります。
しかし、投資に興味のある方には特に短期のトレードを経験しておくことをおすすめします。というのも短期トレードを経験することで相場に強くなることができるからです。
長期投資は将来値上がりしそうな銘柄を探し、一度購入すればあとは放置しておきます。一方で短期トレードでは1日や数日、数週間という期間で銘柄の売買を繰り返します。その際、銘柄の価格が次にどのように動くのかを予測し、できるだけ安いタイミングで購入して高いタイミングで売却できるように売買します。短い間隔での売買を繰り返すため、短期間のうちにトレードの経験値を溜めることが可能です。
また、基本的に24時間365日売買可能な仮想通貨投資は短期トレードを行いやすい環境であり、トレード経験を積むのにピッタリです。
本やインターネットで知識を集めるのも良いでしょうが、実際のトレードで得られる経験には代えがたいもの。自分のお金を掛けた真剣勝負ですから、より正確かつ大量の情報を集めて吟味しようとします。集めた情報を元に頭を最大限働かせて行なった予測は、1つ1つの売買結果を見ることですぐに答え合わせが可能です。結果を元に自身の投資行動を振り返り、次に活かすというサイクルを高速回転させることができるのです。
また、トレードを経験する前と後では投資について勉強する際に納得感や頭への定着度が大きく異なることが予想されます。実際に経験したことのないことを本やネットで勉強してもイメージしづらいですよね。トレードを経験してみると「こういうとき、どんな風に判断したらいいのだろうか。」といったさまざまな困りごとが出てきます。悩んだ経験があると、本やネットでの勉強で「なるほど!こう考えて判断すればよかったのか!」と答えを得る快感があり、知識が血肉になりやすいです。
短期トレードのメリット
トレード経験を急速に積み重ねられる、情報収集効率も高まるという理由から短期トレードは経験しておいた方がお得そうですが、まだまだメリットがあります。以下では短期トレードの他のメリットについて紹介します。
当たり前ではありますが、短時間でトレードが可能という点は大きなメリットです。長期トレードはじっくりと腰を据えて取り組む必要があり、投資効果が出て資産の増加が実感できるまで時間がかかります。一方で短期トレードであれば売買結果はすぐに出ます。物事は自分の行動へのフィードバックが早い方が楽しいですよね。自分の判断の答え合わせがすぐにできる短期トレードは取り組むモチベーションが上がりやすいです。また、短期間のうちに手元の資産を増やすチャンスもあります。
稼げるチャンスが増えるという点も短期トレードの利点です。短期間のうちに売買を繰り返すため、売買対象を別の銘柄に変えるのも簡単です。大きく値動きしそうな銘柄を見つけたらすぐにその銘柄へ投資できます。
このように売買に適した銘柄をいち早く見つけるためにはアンテナを広く張り巡らせておく必要があります。そのため、短期トレードに取り組む中で様々な通貨についての情報が得られ、仮想通貨界隈に詳しい人間になれます。得た知識はトレードに活用できるでしょうし、他の人が知らないような情報を持っているというのは楽しいものです。
また、値下がり局面のダウントレンドでも短期トレードであれば利益を得られます。レバレッジをかけた取引などであれば「先に売り、後から買う」といった売買も可能です。価格が高い時点で売りから入り、その後値下がりした際に買えば値下がり分が利益になります。つまり値上がりしそうだという予測だけでなく、値下がりしそうだという予測も利益に変えられるのです。チャンスが2倍になりますね。
短期トレードの経験は仮想通貨投資のみならず、株など他の相場にも活かせます。情報収集のやり方やチャートからの価格変動予測、経験からくる勘や売買のコツなど、仮想通貨の短期トレードで培われたさまざまなノウハウを活かせれば仮想通貨以外の相場でも勝負ができるようになります。得られたスキルは誰にも奪われません。稼ぐ方法の幅が広がり、リスクヘッジにもなります。
短期トレードのデメリット
短期トレードにはデメリットもあります。相場が気になりすぎて時間や精神が削られることがあるのです。
短期トレードでは売買タイミングを逃さないために日々の値動きチェックが欠かせず、携帯が常に手放せなくなります。ことあるごとにスマホをチェックしたくなるでしょう。仕事中でも価格が気になってしまうことも。また、仮想通貨投資は基本的に24時間365日行うことができるという特徴があるため、就寝前や睡眠中でさえ価格を確認したくなりかねません。本業の仕事が手につかなくなってミスや効率低下を招いたり、睡眠不足で身体的・精神的に不健康になってしまったり、のめり込むことによる弊害が大きいです。
また、運用方法を誤ると資産がなくなる可能性が比較的大きいという点も短期トレードの怖い部分です。短期間で大きな利益をあげようとする場合、投資金額の何倍もの金額を売買できるレバレッジ取引を行うことが多いでしょう。得られる利益が大きくなる反面、損失も多大になりえます。むやみにレバレッジ倍率をあげて売買を行うと簡単に資産を失ってしまいかねません。最悪の場合、元手以上の金額の損失が発生する可能性もあります。
短期トレードの注意点
短期トレードを行っていると簡単に大金を動かせます。そのためギャンブルのようにのめり込んでしまう危険性もあるという点には注意が必要です。
また、短期トレードのデメリットを少しでも軽減するために「余剰資金でのトレード」を徹底しましょう。失っても大きな痛手にならない余裕資産であれば価格変動を四六時中気にすることも減るでしょうし、時間や精神を削りにくくなります。万が一大損失を被った場合にもリカバリが可能な額に収まるでしょう。短期トレードのデメリットをいくらか緩和できます。
短期トレードでは売買で発生する手数料にも注意が必要です。積み重なるとバカにならない金額になりかねません。取引所を選ぶ際には売買手数料や売値と買値の価格差なども考慮しましょう。
1年間のうちに利益が出た場合は基本的には税金を支払う必要があります。確定申告も忘れずに。
まとめ
トレード経験を急速に積み重ねられる点、情報収集効率も高まる点から短期トレードは経験しておく方が良いでしょう。ただし、全ての資産を短期トレードに突っ込むべきというわけではありません。大きなメリットがある一方でデメリットもあるからです。リスク分散のためにも長期トレードのメリットもしっかりと享受しておきたいところです。
そこでおすすめなのは長期トレードを軸にしつつも余裕資産で短期トレードに手を広げるという戦略です。長期トレードで堅実に資産を運用しつつ、短期トレードで経験を積んで相場に強くなりましょう。