マイクロペイメント

用語解説

仮想通貨のマイクロペイメントとは?仕組みや特徴、実現の可能性は?

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仮想通貨は最近「決済」の一手段として注目を浴びています。特にマイクロペイメントは既存の決済システムに革命を起こすのでは?と期待されています。

今回は、仮想通貨のマイクロペイメントについて、その仕組みや特徴を紹介します。

 

マイクロペイメントとは?

決済

マイクロペイメントを英語で書くと、「micro(小さい)」「payment(決済)」となります。
つまり、マイクロペイメントとは「少額決済」を意味しています。

その名の通り、数円~数百円の少額の支払いのことです。
中でも現金を使わない電子決済のことをマイクロペイメントと呼びます。

マイクロペイメントはクレジットカードの代わりになる

みなさんは、電子決済と聞くとどんなものを思い浮かべますか?
おそらく多くの方がイメージするのが「クレジットカード」での決済でしょう。

しかし、少額決済をクレジットカードで行うと主に手数料の面で不都合が起きる場合があります。
例えば、100円の商品をクレジットカードで購入して手数料として100円取られた場合損した気分になる方も多いのではないでしょうか。

クレジットカードでの決済は、数十円から数百円の手数料が必ずかかります。
このように、クレジットカードは手数料が高いため少額決済にはあまり適していません。

そこで白羽の矢が立っているのがビットコインやリップルといった「仮想通貨」です。
少額決済に仮想通貨を利用することで、格安の手数料で決済が行えるのではないかと言われているのです。

なぜ仮想通貨のマイクロペイメントでは手数料が安くなるのでしょうか。

 

マイクロペイメントの仕組み

ネットワーク

そもそもクレジットカード決済は、利用者と販売業者の間に「クレジットカード会社」という仲介業者を挟んでいます。
もちろん仲介業者にも利益がなければ決済できないため、「仲介手数料」というものが発生します。

その結果として、クレジットカード決済は手数料が高くなるのです。
特に少額決済の場合はその負担が大きくなります。

一方仮想通貨には、クレジットカード会社にあたる「管理者」というものが存在しません。
なので仲介業者に支払う手数料が0円になります。

その結果、仮想通貨決済による手数料は最低限の送金手数料のみとなり、クレジットカード決済などと比べて格安で取引することができます。
これはマイクロペイメントの場合も同様です。以上が仮想通貨のマイクロペイメントで手数料が安くなる理由です。

ちなみに、仮想通貨が中央管理者のいないシステムで成り立っていることを「P2P(ピア・ツー・ピア)」と呼びます。

P2Pとは?

P2Pとは、ネットワークに接続された個人のコンピューター間で直接取引をする方式です。
サーバーを用意する必要がなくなるため、サーバー障害やアクセス過多による影響が出にくいという特徴があります。

中央管理者のいない仮想通貨の中心的な技術です。ちなみに、P2Pと対をなす技術として「クライアント・サーバー方式」というものがあります。

マイクロペイメントのメリット

熱狂

次は、仮想通貨でマイクロペイメントを行うことのメリットを見ていきます。
具体的には、

ポイント

・スケーラビリティ問題を解決できる
・少額決済をより活発に行える
・国際送金にも使える


といった点が大きなメリットと言われています。

スケーラビリティ問題を解決

仮想通貨のマイクロペイメントでもっとも大きなメリットと言われているのが、「スケーラビリティ問題を解決できる」という点です。

スケーラビリティ問題とは、仮想通貨の利用者が増えることで取引データが増加し、ブロック容量を圧迫してしまう結果仮想通貨の送金や決済に遅延が起きてしまう問題です。

仮想通貨の要である「ブロックチェーン」という技術では、1つ1つのブロックにどれだけの取引データを記録することができるか、という容量が設定されています。

例えば、ビットコインの場合は1つのブロック容量が「1MB」に設定されています。
一般的なスマートフォンの容量が、「64GB・128GB・256GB」などですから、どれだけ少ない量なのか分かっていただけると思います。
※1GB=1000MB

仮想通貨が利用され始めたころは、今までより膨大に取引量が増え、スケーラビリティ問題が頻発しており、現在でも急な取引量の高騰で同様の事象が起こることが懸念されています。

しかし、仮想通貨のマイクロペイメントに利用されたある技術によってこのスケーラビリティ問題は解決すると言われています。
その技術が「ペイメントチャネル」です。

ペイメントチャネルとは、マイクロペイメントなどの今までブロックチェーン上で行っていた取引を、ブロックチェーン外(オフチェーン)で行うという技術です。
これによりブロック容量を圧迫することなく仮想通貨のマイクロペイメントを行うことができ、スケーラビリティ問題が解決されました。

ペイントチャネルに加えて「ライトニングネットワーク」という技術も開発が進んでおり、これによりさらに安価な手数料で高速の取引ができるのでは、と期待されています。

少額決済をより活発に行えるようになる

仮想通貨のマイクロペイメントで次のメリットと言われているのが「少額決済をより活発に行えるようになる」という点です。
前述したように、仮想通貨のマイクロペイメントではクレジットカードなどと比べて圧倒的に安い手数料で決済できるため、今までより少額決済が活発になることが期待されています。

ここで1つ疑問に感じるのが、「少額決済をする場面ってそんなにあるの?」ということです。
確かに、まだマイクロペイメントの市場はそれほど大きくなく、コンビニでの利用くらいしか思いつかない方も多いでしょう。

しかし、少しずつですが確実にマイクロペイメントをする機会は増えており、今後そこに仮想通貨が参入する可能性は大いにあります。
ここでは2つの例を挙げておきます。

1つ目は、YouTubeなどの動画配信サイトで採用されている「投げ銭(スーパーチャット)」というシステムです。
投げ銭とは、配信者に対して「応援してるよ!」と少額のお金を支払うシステムですが、今は手数料の関係などから数百円以上でなければ投げ銭できないサイトも多いです。
仮想通貨のマイクロペイメントが導入されることで、数十円といった少額でも投げ銭できるようになります。
所得の少ない若い世代でも、自分の応援の気持ちを表すことができるようになるということです。

2つ目は、音楽の購入等の場面です。
昔は音楽を聴くためにCDを買ったり借りたりして、それを自分の音楽プレイヤーに移していました。
今はストリーミング配信が活発になり、月額数百円でさまざまな曲を聴けるようになっています。
曲を買いたいと思った場合も、CD1枚を買うのではなく、100円単位で曲を1曲ずつ買うのが普通になっています。
このような少額決済に仮想通貨が使えるのではないか、と言われています。

このように、社会の発展とともにマイクロペイメントの機会は増加しており、そこに仮想通貨が参入することで支払い方法がさらに多様化していきます。

 

マイクロペイメントの課題

課題

最後に仮想通貨のマイクロペイメントが抱える課題について簡単に紹介します。

実装するには技術的な課題が多い

実際にオフチェーンでのマイクロペイメントは一部実装できてはいるものの、広く普及するには多くの課題が残っている状況です。

同開発が活発に行われており、今後の動向に大きな注目が集まっています。

マネーロンダリングの危険

もっとも大きな課題は、マネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪をどう防ぐかという点です。
仮想通貨は中央管理者がいないため、常に犯罪に利用されるおそれを抱えています。
マイクロペイメントが活発化することで、仮想通貨の利用頻度が増え、それに乗じたマネーロンダリング等も増えるのではないか、と言われています。

仮想通貨が既存の通貨に取って代わるためには、犯罪対策が必要不可欠です。

まとめ

投資の面ばかりが注目されがちな仮想通貨ですが、マイクロペイメントによって「決済」の側面にも目を向けられるようになりました。

これからさらに発展することで、私たちの生活のより身近なところで仮想通貨が使われることになるでしょう。

 

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