アメリカの有名仮想通貨取引所「Bakkt」は、現物ベースのビットコイン先物取引を上場すると発表し、注目を集めています。
そこで、この記事ではBakktとはどんなものなのかを詳しくチェックしていきます。
あわせてビットコイン先物取引の仕組みなども解説していきますので、これを気に理解を深めましょう。
ビットコインの価格にも影響を与える可能性が高いため、注目のサービスです。
Bakkt(バックト)とは?
Bakktを理解する上で、あわせて理解したいのが、ビットコイン先物です。
ビットコイン先物とは?
先物取引とは、トレードする期日や価格、数量を決めておき、期日が来たら実際にトレードする取引のことです。
ただし、期日が来る前でもトレードすることはでき、その差額に応じた利益や損失が出ます。
ビットコインの先物取引には以下のような特徴があります。
レバレッジが掛けられる
ビットコイン先物取引では、必要な証拠金を預け入れることによってレバレッジを掛けたトレードを行うことができます。
取引所によって異なりますが、概ねトレードする金額に対して20~100%の証拠金が必要とされます。
また、レバレッジは5倍~20倍程度となっています。
トレードによって損失が出て、必要な証拠金維持率を下回ると強制決済(ロスカット)されるので注意しましょう。
限月(取引期限)が決まっている
ビットコイン先物取引では、他の先物取引と同様に取引期限が決まっています。
これを限月と呼び、ポジションをずっと持っていてもこの日がくると強制的に決済されるので注意してください。
こちらも取引所によって、1週間~数ヶ月程度のものが用意されています。
Bakktにおける先物取引の特徴
先程ビットコインの先物取引について見ていきましたが、Bakktで取り扱われる先物取引は一般的なものと少し異なります。
それは「現物決済方式の先物取引である」というものです。
通常、先物取引は「差金決済」と呼ばれ、実際にビットコインを購入することなく、決済したタイミングで値動きに応じて出た利益や損失を証拠金から精算する仕組みになっています。
しかし、Bakktでは購入した分のビットコインが実際にアカウントに届き、それを売却すると売却額が振り込まれるという仕組みが採用されています。
トレードはアメリカドル(USD)で行われるため、USD > BTC > USDという形のトレードになります。
現物取引と似たような資金の流れといえるでしょう。
そのため、現物決済方式の先物取引と呼ばれています。
また、CEOのKelly Loefflerがレバレッジトレードは提供しないと明言しているのでこちらも注意してください。
現物決済方式はアメリカでは初めて
このタイプの先物取引は、イギリスの取引所「CoinFloor」が2018年4月に世界で初めてリリースしています。
しかし、アメリカでのリリースはBakktが初めてです。
そのため、市場からの注目を集めています。
上場予定日は2019年1月24日
気になる上場予定日ですが、最初は2018年12月12日の予定だったものの、2019年1月24日に延期するとの発表がありました。
予定通りスタートするかは見通せませんが、期待できるといえるでしょう!
運営会社はICE(Intercontinental Exchange/インターコンチネンタル取引所)
Bakktを運営している会社はICE Futures USで、ニューヨーク証券取引所を運営している企業として世界的に知られています。
また、マイクロソフトやスターバックス、ボストンコンサルティンググループなどの有名企業も参入する予定なので、価格が大きく変動するかもしれません。
今後の動きから目を離さないようにしましょう!
Bakktの(バックト)の仕組み
次にBakktの仕組みについてチェックしていきましょう。
Bakktが利用するプラットフォームには以下のような特徴があるのでここでしっかり見ておきましょう。
安全性重視
ICEは株式市場を運営しており、そのインフラを活用して安全性の高いトレードシステムを構築することを目指しています。
トレードシステムだけでなく、ビットコインを安全に保管できるシステムを作ることも目指しているようです。
ワンストップの売買・保管・決済手段の構築
ビットコインを始めとする仮想通貨の売買手段、保管手段、決済手段を一括で提供することも目標の1つとして掲げています。
今後発展していけば、世界中でこのシステムが利用されるようになり、ビットコイン決済などがもっと身近になるかもしれません。
オープンで新規参入しやすい
仮想通貨はオープンな資産とされており、このメリットを最大限に活かすように考えられています。
さらに、容易に新規参入できる環境を整え、仮想通貨決済を普及させることを目指しています。
スターバックスなどが参入していることからも、こちらに期待できるかもしれません。
なお、これを実現させるためには価格を安定させる必要もあるでしょう。
Bakktの(バックト)はどのように使われる?
Bakktは現物決済のビットコイン先物取引ですが、今後は以下のような活用法に期待されています。
実際の決済手段
Bakktは仮想通貨を速やかにアメリカドル(法定通貨)に交換することができます。
そのため、仮想通貨を法定通貨に変換し決済に使うことができるでしょう。
サービスイン直後に、すぐに決済に使えるようになる可能性は低いものの将来性には期待できそうです。
さらに、開発が進んで社会に広く受け入れられるようになれば、ビットコイン決済が爆発的に普及するかもしれません。
とりあえずはビットコインのトレード&交換用プラットフォーム
サービスイン直後はビットコイン先物取引を通して、トレード&交換用プラットフォームとしてのサービスを提供する見込みです。
ただし、今後も発展させるためにさまざまなアクションを起こすようなので、注目しておきましょう!
また、以下のように利用者からのフィードバックの内容によってはビットコイン以外の仮想通貨を取り扱う可能性もあると言っているため、こちらにも期待できるかもしれません。
Question: We've been asked if we will add other digital currencies
Answer: We’ll consider additional contracts as the landscape evolves and as we receive additional customer feedback about what they want and need
— Bakkt (@Bakkt) November 23, 2018
Bakkt(バックト)の評判
続いてBakktの評判について見ていきます。
Bakktに期待している人も多いですが、懸念している人もいるようです。
「大手のFCMが参入しないと期待はずれになりそう」とか「ETFほどの好材料ではなさそう」との意見も多いので、是非参考にしてみてください。
Bakktはスタート日よりも、FCM(先物業者)がポイントですね。 大手のFCMが提供しないと期待外れになる可能性が高いですね。
— Kaz (@maido_odiam) December 16, 2018
逆に、「Bakktの期待度合いは高い」、「ナスダックの先物上場やETFと合わせて好材料になる」との評判もあるのでこちらにも注目しておきましょう。
https://twitter.com/rei_newac2018/status/1070081356711915521
『現在が悲観相場だとしても、仮想通貨の未来はなお明るい』米NY証券取引所・最高責任者が語るhttps://t.co/Y8HPG54M6X
Consensus Invest 2018に登壇したJeffrey氏は、仮想通貨市場の将来について確信を見せると共に、子会社Bakktについても「機関投資家が参入する大きな転機だ」と期待を示した。
— CoinPost -仮想通貨情報サイト- (@coin_post) November 29, 2018
運営者のコメントも要チェック!
Bakkt運営者のコメントもとても参考になるので、ここでしっかりチェックしておきましょう。
BakktのCEOであるKelly Loefflerは「小売業者や消費者の参入を促進するもの」であると発表しています。
これまで仮想通貨はIT関連企業からの注目度合いが高かったため、1つの転換点になる可能性を示唆しています。
また、ICEのCEOであるJeffrey C. Sprecherは「仮想通貨に関する一貫したインフラを提供する」としています。
これによって、市場全体の信頼性が高まってより安定した資産になるかもしれません。
Bakkt(バックト)の将来性
最後にBakktの将来性について見ていきましょう。
予定通りリリースされるかが最も重要
2018年12月時点で、最も気にすべき事柄は「予定通り2019年1月24日にリリースされるか」というものです。
これまで何度も延期されているため、これ以上延期が繰り返されると市場の期待度も低くなる可能性があります。
実際に決済手段として受け入れられるかに注目
実際にリリースされた場合、Bakktのビジョン通りに一貫したインフラが提供され、決済手段としても市場に受け入れられるかに注目が集まるでしょう。
この点で成功すればかなり期待できるといえるかもしれません。
投資面では好材料
2018年12月時点で、BakktはETFやナスダックの先物取引への参入と合わせて価格上昇の好材料とされています。
そのため、ビットコインに投資している人は今後の動きに注目することをオススメします!
機関投資家が参入するようになるかもしれない
Bakktが先物取引を始めると、機関投資家が仮想通貨市場に参入するようになるかもしれないと言われています。
これは、下落傾向にある仮想通貨市場が再び上昇するようになる可能性を秘めており、市場からかなり期待されています。
機関投資家は安定性と信頼性を重視しているため、ICEが運営することによってこれらがクリアされれば参入するようになるかもしれません。
まとめ
今回はICEがリリースするBakkt(現物決済のビットコイン先物取引)について見ていきました。
Bakktは単純なビットコイン先物取引ではなく、保管と決済に関するインフラの構築も担っていることがわかったでしょう。
もちろん、ビットコインの価格に大きな影響を与える材料になる可能性が高いため、今後の動きにしっかり注目することをオススメします。